日本オラクルは2012年4月23日、ビッグデータを高速処理するための統合製品「Oracle Big Data Appliance」を同日から販売すると発表した。ハードとソフトを統合したオラクル製品群“エンジニアド・システム”の一種で、文書や画像といった非構造化データの高速処理に必要な各種のソフトウエアを搭載している。
具体的には、(1)Hadoopディストリビューション「Cloudera's Distribution including Apache Hadoop」(CDH)、(2)オープンソースのデータベースエンジン「Berkeley DB」を基に開発した分散キー・バリュー型データベース「Oracle NoSQL Database」、(3)統計解析言語「R」---で構成する。
また、同社が得意とするリレーショナルデータベース製品と連携させるためのソフトウエア群「Oracle Big Data Connectors」も実装する。これには、Hadoop環境からOracle Databaseにデータを取り込むための「Oracle Loader for Hadoop」や、データ抽出・分析用の分散処理フレームワークであるHadoop MapReduceをGUIで使えるようにする「Oracle Data Integrator Application Adapters for Hadoop」といったソフトが含まれる。
ハードウエアは最小で「Sun X4270 M2」の18台構成となる。この最小構成におけるメモリー容量は864Gバイト、プロセッサ数は216コア、ストレージ容量は648Tバイト。ラック間やノード間は、最大40Gビット/秒のInfiniBandで接続される。
Oracle Big Data Applianceの価格は、最小構成で5190万1612円。Oracle NoSQL DatabaseとOracle Big Data Connectorsは単体ソフトとしても提供する。前者の価格は114万1350円、後者は22万8270円である。
また日本オラクルは今回の発表に合わせ、ビッグデータ関連事業に関する最新状況について説明した。
同社の山本恭典 執行役員ソフトウェアライセンス事業 製品事業統括 製品戦略統括本部長は「20人程度を予定していたビッグデータ専任部隊を30人規模に増やして商談に取り組んでいるところだ。技術検証環境の構築や10社以上のパートナー企業との協業、数社の先進ユーザーとの検証も進めている」と述べ、国内市場の開拓に向けた取り組みを強化していく姿勢を強調した。
記事掲載当初、第2段落で製品名を「Cloudera CDH 3」と記述していましたが、正式な製品名である「Cloudera's Distribution including Apache Hadoop」(CDH)に改めました。本文は修正済みです。 [2012/04/24 13:50]