写真1●ゴールド賞を獲得した人事情報アプリケーション「SmartCompany」の販売を担当するサイエンティアコンサルティングの宮腰康弘氏。左はKVH CEOのリチャード・ウォーリー氏
写真1●ゴールド賞を獲得した人事情報アプリケーション「SmartCompany」の販売を担当するサイエンティアコンサルティングの宮腰康弘氏。左はKVH CEOのリチャード・ウォーリー氏
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 KVHは2012年4月20日、岩手県、宮城県、福島県に拠点を構えるソフトウエア開発会社を対象にした「東北応援アプリケーション開発コンテスト」の結果を発表した(関連記事)。同コンテストは、被災地の企業の持続的成長をサポートする狙いで開催され、受賞者は賞金に加え、KVHの提供するIaaSプラットフォームと国内外向けのマーケティング、営業支援の提供を受けられる。

 アプリケーションの応募期間である2011年11月1日から今年の3月16日までに、東北3県に事務所を持つ10社から13件の応募があった。コンテストの1位となるゴールドを受賞したのは、仙台市に本社を構えるサイエンティアが開発・提供する人事情報アプリケーション「SmartCompany」。HRM(Human Resource Management)関連機能と市場性などが評価された。2位のシルバーを獲得したのは、岩手県花巻市に本社を持つアップランが開発するMDM(Mobile Device Management)アプリケーション「WinView」。パソコンとAndroid端末を一元管理できる先進性と、こちらも市場性が評価された。3位となるブロンズは、本社が福島県会津若松市のデザイニウムが会津大学と共同で開発した「Aizu Online Judge」プロジェクト。CやC++、Javaで書いたコードの動作状況をクラウド上で評価するアプリケーションで、オンラインでプログラミングを学習するために開発された。

 これらに加えて特別賞を、CADデータをPDF形式のファイルに変換するアプリケーション「ZumenPDFserver Webブラウザ版」を開発するマイクロアーツ(本社:福島県会津若松市)と、情報共有アプリケーション「ActLog(アクトログ)」を開発するきょうりつ工房(本社:岩手県盛岡市)が受賞した。ActLogは特に、開発者である外崎孝彦氏の「ユーザーのやる気を上げるコミュニケーションツールを提供する」という熱い思いが評価された。

 授賞式の冒頭で挨拶に立った、KVHのCEO(最高経営責任者)のリチャード・ウォーリー氏は、「被災地に対して、クラウドサービスを提供するという当社の特徴を生かした支援がしたいという思いからこのコンテストを実施した。持続的な地域再生が果たせるよう、新たなビジネスの種をまければと考えている」と語り、受賞したアプリケーションのクラウド展開が今後のビジネス創出につながることに期待を寄せた。