まつもとゆきひろ氏は2012年4月20日、組み込みシステム向けの軽量Ruby「mruby」を公開した。まつもと氏が福岡県などと経済産業省の地域イノベーション創出事業として開発していたもの。組み込みシステムの生産性向上を狙う。

 mrubyは組み込みシステム向けに文法をシンプルにし、通常のRubyに比べ少ないメモリーでも動作するようにしたもの。UNIXやLinuxだけでなく、Windows、Mac OS X、BeOSなどでも動作するという。生産性が高いとされるRubyを軽量にして移植性を高め、組み込みシステムに適用することで、家電製品などのソフトウエアの開発生産性を向上させることが目的だ。

 福岡県では経済産業省の地域イノベーション創出事業として、九州工業大学、東芝などと協力し、組み込み向けのRubyプロセッサ「Rubyチップ」の開発に取り組んでいる(関連記事)。mrubyとRubyチップを組み合わせ組み込みシステムでのRuby採用拡大を狙う。

 mrubyのソースコードはGitHub上からダウンロードできる。MITライセンスで配布されている。

■変更履歴
タイトル、本文で「mRuby」としていましたが、「mruby」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2012/04/21 13:00]