写真1●Riskmining Navigatorの画面(キーワードのつながりを可視化)
写真1●Riskmining Navigatorの画面(キーワードのつながりを可視化)
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写真2●Riskmining Navigatorの画面(トラブル発生パターンを可視化)
写真2●Riskmining Navigatorの画面(トラブル発生パターンを可視化)
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 富士通は2012年4月20日、製造業のリスク分析を目的としたテキストマイニングツール「Riskmining Navigator」を出荷した。自由文で書かれた大量のトラブルレポートを読み込んで解析し、トラブルの傾向や要因を「見える化」する。価格は、500万円(税別)。

 Riskmining Navigatorは、テキストに含まれるキーワード同士の関係を自動的に解析して可視化する。これにより、人手で時間をかけて文章を読まなくても済むようになるほか、人手では見えなかったキーワード同士の関係に気づくようになる。

 トラブルレポートの自由記入欄に書かれた自由文を主な対象とする。日本語の形態態素解析と係り受け解析の後に統計処理を施し、これをベースに分析・可視化する。統計処理では、複数レポートにまたがったキーワードの出現頻度や、二つのキーワードが同時に出現する回数などをカウントする。

 大きく、二つの機能を提供する。一つは、トラブルレポートの概要を直感的に把握できるように、キーワード同士の関係をビジュアルで可視化する機能である(写真2)。「路面凍結」と「スリップ」のように、よく一緒に使われるキーワードを抽出し、これらキーワード同士の結びつきを、キーワードのアイコンと線で描く。

 もう一つの機能は、トラブル発生パターンをモデル化する機能である。トラブルの発生条件(イベントの順序や因果関係)を自動的に抽出し、トラブル発生に至るまでの過程をモデル化する(写真2)。これにより、トラブルの定量的な分析が可能になり、効果的な対策を取れるようになる、としている。

 Webブラウザー(Internet Explorer 7/8)から利用する。Riskmining Navigatorは、JavaアプリケーションサーバーのApache Tomcat上で動作する。動作を保証するプラットフォームは、Windows XP/Vista/7、Windows Server 2003/2008。解析対象のトラブルレポートの書式としては、トラブルレポート原本(Excelファイル)から出力したCSV(カンマ区切り)テキストを想定する。