キヤノンITソリューションズとエス・エス・ジェイは2012年4月18日、固定資産管理ソフト「SuperStream-NX 固定資産管理」を発表した。ERP(統合基幹業務システム)パッケージ「SuperStream-NX」シリーズの新製品で、「SuperStream-NX 統合会計」と密に連携し、複数台帳管理や、将来発生する費用の予測を可能にする。IFRS(国際会計基準)適用の影響が大きい固定資産やリース資産の管理を効率化するのが狙いだ。5月31日に出荷する。

 SuperStream-NX 固定資産管理は、固定/リース資産の入力・照会・レポート作成・予測シミュレーションといった機能を提供する。複数台帳機能では、最大5種類の台帳を作成・管理できる。「日本基準に基づく会計用、税務用、IFRSに基づく会計用のほか、管理会計用に台帳を作成できる」(マーケティング部の山田誠部長)。

 減価償却費、課税標準額、除去債務利息といった将来発生する費用を予測するシミュレーション機能も備える。現在の資産情報と、新規取得・変更・移動・処分などの予定に関する情報を加味して、1カ月先、6カ月先、12カ月先における費用を計算・表示する。最大30年後まで予測できる。

 RIA(リッチ・インターネット・アプリケーション)技術を採用し、全ての操作をWebブラウザーからできる。従来型のオンプレミス(サーバー設置型)環境のほか、「パートナー企業を通じて、クラウド環境でも提供していく可能性がある」(マーケティング部の山田誠部長)。価格は400万円から。

 同社は5月1日に社名を「スーパーストリーム」に変更し、製販一体の事業体制を整備する。2012年はグローバル、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)、IFRS、グループ経営の四つをキーワードに設定。製品を強化するとともに、パートナーとの協業関係を強め、事業拡大につなげる考えだ。谷本善男社長はERP市場について、「特に年間売上高500億円未満の中堅中小企業での拡大が期待できる」とみる。「このクラスの企業でもグローバル化やグループ経営のニーズが高まっている。その対応策として、ERPがキーワードとして浮上している」(同)からだ。