写真1●Morgan Gerhart氏
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写真2●Sameer Dholakia氏
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 シトリックス・システムズ・ジャパンは2012年4月19日、東京都内にて「Citrix Cloud Vision 2012 Spring」を開催。インターネットアプリケーションの負荷分散が可能となる「Citrix NetScaler 10」を発表した。

 米Citrix Systems ネットワーキング&クラウド 製品ディレクターのMorgan Gerhart氏(写真1)は、現状のデータセンターの課題として、パフォーマンスの拡張が難しいこと、専用インフラを採用しているため複雑で統合に制限があること、規模拡大に多大なコストがかかることを挙げる。「NetScaler 10では、こうした問題を“TriScale”テクノロジーで解決する」とGerhart氏は言う。

 TriScaleテクノロジーとは、性能を「スケールアップ」させる機能と、性能を「スケールアウト」する機能、複数のアプライアンスを1台のプラットフォームに統合する「スケールイン」機能のことだ。

 スケールアップでは、「Pay-as-You-Grow(成長にあわせて投資する)」方式のソフトウエアライセンスモデルに基づき、同一のNetScalerプラットフォームを利用しながらオンデマンドで性能を最大5倍まで拡張する。スケールアウトは、クラスタリングによってNetScalerのキャパシティーを最大32倍まで拡張する。スケールインは、サービス配信ネットワーキングプラットフォームの「Citrix NetScaler SDX」により、最大40のNetScalerアプライアンスを1台のプラットフォーム上に統合する。

 今回のイベントでは、Citrixがクラウド管理ソフトウエアの「Citrix CloudStack」をApache Software Foundationに寄与したことについても語られた。Citrixは引き続きCloudStack商用版の提供を続け、日本でも同製品の最新版「Citrix CloudStack 3」を同日発表したばかりだが、開発はApache Software Foundationにて行うことになる。

 米Citrix Systems クラウドプラットフォームグループ グループバイスプレジデント 兼 ゼネラルマネージャーのSameer Dholakia氏(写真2)は、「クラウドのプラットフォームプロバイダーには、VMware、Microsoft、そしてオープンソースが存在するが、この分野はオープンソースが先駆者的存在だ。Citrixはこのオープンソースという場所でクラウドを支援をしていきたい」と述べた。