写真1●ONFのダン・ピット エグゼクティブ・ディレクター
写真1●ONFのダン・ピット エグゼクティブ・ディレクター
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写真2●OpenFlowプロトコルの今後の標準化スケジュール
写真2●OpenFlowプロトコルの今後の標準化スケジュール
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写真3●NECはマルチベンダー環境でOpenFlow対応機器の相互接続デモを実施。ただし現段階で相互接続できていない機器も見られた
写真3●NECはマルチベンダー環境でOpenFlow対応機器の相互接続デモを実施。ただし現段階で相互接続できていない機器も見られた
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 米国サンタクララで開催中の「Open Networking Summit 2012」にて2012年4月17日(現地時間)、OpenFlowプロトコルの標準化団体でありONS 2012を主催する「Open Networking Foundation」(ONF)のダン・ピット エグゼクティブ・ディレクター(写真1)が、OpenFlowプロトコルの今後の標準化スケジュールを紹介した(写真2)。

 現在のOpenFlowプロトコル仕様の最新バージョンは1.2。IPv6や拡張フィールドなどを追加し、2011年12月に固められた。次のバージョンである1.3は、ONS 2012の直後に開催されるONFの会合で標準化が完了する予定だ。PBB(Provider Backbone Bridge)への対応などが追加される見込みだ。

 さらに2012年7月には、OpenFlow対応機器などの相互接続性の試験を進める(OpenFlow Test 1.0)計画だという。

 現在、NECや米IBMなどからOpenFlow対応の商用製品が登場しているが、現段階では相互接続性に課題がある。例えばONS 2012の展示ブースで、NECは同社のOpenFlow対応コントローラーを用いて、複数のベンダーのOpenFlow対応スイッチを制御するデモを実施している。IBMのOpenFlow対応スイッチなどは制御できているが、米エクストリーム ネットワークスや米インテルのOpenFlow対応スイッチは、「標準の解釈の違いを吸収しきれず、今回の展示には間に合わなかった」(NEC)という(写真3)。

 OpenFlow対応機器の相互接続試験が進めば、このようなベンダー間の解釈の違いによる“つながらない事態”が減っていき、ユーザーが安心してOpenFlowを導入できる状況が訪れそうだ。一方で、特に限られた機能だけが求められるOpenFlow対応スイッチの分野では、コモディティ化が進み競争が激化しそうだ。