米Appleと韓国Samsung Electronicsは、スマートフォンやタブレット端末の特許をめぐって両者が互いに提起している訴訟について、和解協議に入ることで合意した。複数の海外メディアが現地時間2012年4月17日に報じた。

 モバイル端末のソフトウエア特許問題に詳しいブログFOSS PATENTSによると、AppleとSamsungの裁判を担当する米カリフォルニア州北地区連邦地方裁判所のLucy Koh判事は、両者に裁判外紛争処理(ADR)の道を促し、和解会議への参加の意向を尋ねた。これに対し両者はともに最高経営責任者(CEO)と法務顧問が自社の代表として会議に出席することを裁判所に伝えた。これを受けてKoh判事は和解会議を担当する下級判事を任命した。会議は90日間という期限を設けて行われるもようだ。

 Appleは2011年4月に、Samsungの製品が「iPhone」や「iPad」関連のデザイン特許、登録商標を侵害したとして、カリフォルニア州の連邦地裁に提訴。Samsungも通信技術に関する特許がAppleに侵害されたとして提訴し、その後両社の訴訟合戦は世界各国に広がった。英Reutersによると、現在は世界10カ国で20以上の訴訟が両社によって提起されている。

 なお今回の報道に先立ち米Wall Street Journalなどの海外メディアは、Appleが和解の道を探っており、訴訟相手のSamsungや米Motorola Mobility Holdingsに対し、特許ライセンス契約を提案したと伝えていた(関連記事:Apple、モバイル特許係争でMotorolaとSamsungに和解提案か? 米紙報道)。