2012年4月16日、Open Network Lab(Onlab)が第4期の起業家支援プログラム「Seed Accelerator」の成果発表会(Demo Day)を開催した。

 Onlabは、2010年4月にデジタルガレージが始めた起業支援活動で、世界を目指すスタートアップの短期育成を目的としている。設立2年以内の会社または未登記のチームを公募・選抜し、オフィススペースやサーバー環境を提供。さらに、エンジニアや起業家、投資家などによるメンタリング(アドバイス)を通じて事業を成長させる。1期ごとの支援期間は3カ月で、修了時にベンチャーキャピタリスト向けに活動成果を発表するのがDemo Dayである。

 第4期の参加グループは、以下の5社(カッコ内が開発サービス名)。それぞれ5分間のプレゼンテーションを行い、最優秀賞「Best Team Award」を目指した。

Increments(Qiita/Kobito)
QiitaとKobitoは、いずれもソフトウエア開発者向けの製品。Kobitoは、記述したコードの特徴を記録するためのMacアプリ、Qiitaがプログラマの知識共有サービスで、両製品を通じて、開発者が重視する「記録」「共通」「活用」機能を実現する。自身の経験談を踏まえ、「検索サイトを使って解決策を探す現状の非効率を解決する」という。

L is B(Feelon!)
Feelon!は、Twitterのツイートの文脈を自動解析し、漫画化してくれるサービスである。膨大なツイートの蓄積により、口語に強い解析エンジンを売りにする。16日の発表会では、海外向けサービス「Baloon」と、コンテンツ提供事業者との連携からなるグローバル戦略が発表された。世界進出のためにOnlabの門戸を叩いたという、代表の横井太輔氏は「日本のコンテンツと一緒に世界に進出する」と意気込みを語った。

クゥーイー(arraies)
arraiesは、クリエーターの作品を購入することができるマーケット。海外のクリエーターに開放したところ、登録件数が急増したという。現在、15カ国のクリエーターが作品を登録しているという。代表の草野絵美氏は「arraiesを舞台に行われる“文化のキャッチボール”を通じて、このサービスをイノベーションの基盤にしたい」とした。

tpn company(picteen)
女子大生らによる、プリクラ風の落書きアプリ。同様のアプリは既に存在するが、プリクラの進化と共に成長した“ヘビーユーザー”である自分たちが満足できるサービスとして仕上げたという。デザインに最も力を入れたとし、素材を600個以上用意する。5月上旬にリリース予定だ。

ブルーム(Dreampass)
これまでは映画チケットの共同購入サービスとして提供していたDreampassは、今回のDemo Dayで「映画のオンデマンドサービス」としてリニューアルされることが発表された。過去1年で3万人を映画館に送り込んだ実績を踏まえたリニューアルで、中核となるイベント作製機能を活用し「見たいコンテンツを、見たい時に、映画館で観賞する」ことを目指す。6月初旬には新サービスを始めるという。既に4000作品が登録済みであり、映画以外にも、音楽ライブやスポーツなど様々なデジタルコンテンツを上映することで、映画館の稼働率を上げられるとした。

写真●Best Team Awardを獲得したIncrementsのメンバー
写真●Best Team Awardを獲得したIncrementsのメンバー
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 審査の結果、IncrementsがBest Team Awardを獲得した。結果発表したデジタルガレージ代表取締役兼グループCEOの林郁氏によると、IncrementsのAwardは審査会の満場一致で決まったという。

 Onlabは2012年7月から始まる第5期Seed Acceleratorの参加チームを3月1日から募集中であり、5月13日正午まで申し込みを受け付けている。