米Facebookは現地時間2012年4月13日、新たなサイバーセキュリティ法案「Cyber Intelligence Sharing and Protection Act(CISPA)」を支持する理由を説明すると同時に、現在と同様の個人情報保護を継続することを強調した。

 Facebook米国公共政策担当バイスプレジデントのJoel Kaplan氏は、「悪意のある行為に対する防衛策を成功させるには、時宜を得た情報を入手することが不可欠だ。企業間でサイバー攻撃に関する情報を共有することにより、1社が攻撃を検知すると、他の企業も自社およびユーザーを同様の攻撃から守ることができる」と情報共有の重要性を述べ、「同様に、政府機関が侵入や攻撃を確認してより多くの情報を民間企業と共有すれば、より優れたユーザーおよびシステム保護を実現できる。CISPAは当社や他の企業が脅威に関する重要な情報をよりすばやく当局から受け取ることを可能にする」と説明した。

 また、企業がセキュリティ強化を名目に個人情報を共有するのではないかと懸念されていることについて、「そのようなことをするつもりはない」と明言し、「当社が第一に同法案について良いと思った点はそこではなく、システムやユーザーに対する特定のサイバー脅威に関してより多くの情報を入手できるようになることだ」と付け加えた。

 米メディアの報道(Daily Disruption)によると、2011年11月30日にMichael Rogers下院議員が提議した法案で、サイバー攻撃対策や海賊行為防止といったセキュリティ強化のために米政府がさまざまな情報を取得することを可能にするもの。プライバシー擁護団体などは、同法案では当局が個人情報を監視できる方法や条件などにほとんど制約がないことから強く反発している。しかしFacebookをはじめ、米AT&T、米IBM、米Microsoft、米Oracle、米Symantec、米Verizonといった大手通信企業や技術企業、ソフトウエア権利保護団体のBusiness Software Alliance(BSA)、米携帯電話業界団体のセルラー通信工業会(CTIA)、インターネットセキュリティの強化を推進するInternet Security Alliance、全米ケーブルテレビ電気通信事業者連盟(NCTA)、米国防産業協会(NDIA)などの組織が支持している。

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