米国の成人の5人に1人はインターネットを利用しておらず、同国におけるデジタル格差は依然として存在する。――。こうした調査結果を米国の非営利調査機関Pew Internet & American Life Projectが現地時間2012年4月13日に公表した。

 それによると、インターネットを利用していない人のほぼ半数はその理由について、インターネットは自分にとって必要がないと考えている。インターネットを使いたいとは思わず、インターネットで情報を入手したり、コミュニケーションを取ったりする必要もないと考えているという。

 現在、インターネットを利用していない人のほとんどは、これまで一度も利用したことがなく、世帯で利用している人もいない。またこうした人々のうち、「必要になった際、利用を始められるための十分な知識を持っている」と回答した人はわずか20%。「将来、電子メールなどのインターネット利用をすることに興味を持っている」という人はわずか10%だった。

 調査は、2011年7月25日から8月25日に固定電話と携帯電話を使って18歳以上の成人を対象にアンケートを実施、集めた2260人の回答を分析した。Pew Internetは、インターネットを利用しない人の特徴として、英語でなくスペイン語でアンケートに答えた高齢者、高校を卒業していない人、年間世帯収入が3万ドルに満たない人などを挙げている。

 ただし、2000年に行った調査時点と異なり、モバイル端末の普及がデジタル格差を解消しつつあると同社は分析している。「一昔前にデジタル格差の不幸な側にいた人々は、無線端末を使ってインターネットにアクセスするようになっており、昨今のモバイル端末の普及が状況を変えつつある」としている。

 同社によると、現在米国成人のうち88%が携帯電話を所有している。ノートパソコンの所有率は57%。電子書籍端末は19%、タブレットコンピューターも19%。10人に6人(63%)は、これらいずれかの機器を使い、無線経由で日々インターネットにアクセスしているという。

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