米Facebookは現地時間2012年4月12日、個人情報の収集に関する透明性向上の一環として、アカウントのデータダウンロード機能を拡大すると発表した。

 2010年に提供を開始した「Download Your Information(Facebookデータをダウンロード)」機能では、ユーザーは自身のアカウントの個人情報や写真、投稿、メッセージ、友達リスト、チャット内容といった全情報をzip形式のアーカイブファイルでパソコンにダウンロードできる。

 今回、同機能の対象を広げ、以前使用していた名前、送信した友達リクエスト、ログインした端末のIPアドレスといったデータもダウンロードできるようにする。この機能強化はすべてのユーザーに対して段階的に反映される。また、対象となるデータを今後さらに拡大する方針という。

 同社は2011年12月、アイルランドのデータ保護委員会(DPC)の勧告に応じて、プライバシーに関する慣習およびポリシーの強化に取り組むことを発表した。Facebookやアプリケーションで使用される個人情報の管理方法についてユーザーへの情報提供を向上することなどで、DPCと合意している(関連記事:Facebook、アイルランド当局の勧告で欧州ユーザー向けプライバシー対策強化へ)。

 DPCによる勧告は、オーストリア人の法学生が苦情を申し立てたことに端を発している。同学生がFacebookに対して、自身に関して保存している情報の開示を請求したところ、驚くほど膨大な情報が収集および記録されていることが判明した。同学生は22件におよぶプライバシー関連の訴状をDPCに提出し、Facebookにおける個人情報の取り扱いが適正かどうか調査するよう要請した(米PC Magazineの報道)。

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