「モバイルやデジカメの技術開発に投資を集中する」(平井一夫社長)
「モバイルやデジカメの技術開発に投資を集中する」(平井一夫社長)
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 ソニーは2012年4月12日、4月1日付で発足した新経営体制下での経営方針説明会を開催した。今後は(1)デジタルカメラなどの「デジタルイメージング事業」、(2)ネットワークを介した対戦型ゲームなどの「ゲーム事業」、(3)スマートフォンやタブレット端末、ノートパソコンなどの「モバイル事業」を重点事業領域とする。これらの事業を合わせた2011年度の売り上げ構成比率は60%だったが、「3年後の2014年度には70%にまで上げ、営業利益の構成比率を85%にする計画だ」(平井一夫社長兼CEO)。

 中でも大きな成長を見込んでいるのはモバイル事業で、2011年度の3倍となる1兆8000億円の売り上げを2014年度に確保し、事業単体での黒字化を目指す。具体的な内容は明らかにしなかったが、「映画、音楽、ゲームといったコンテンツをテレビで楽しむための中心的な機器にスマートフォンを位置付けたい」(平井氏)という。そうした取り組みにより、テレビやコンテンツなど、ソニーの既存事業とのシナジー効果を発揮できると考えている。

 赤字が続くテレビ事業については、人員削減や液晶パネルの調達コストの削減を進めつつ、高画質、高音質の液晶テレビで競争に挑み続ける方針。「リビングルームの中心に置かれるテレビは、ユーザーに自社のコンテンツを届けるためにも大切な機器なので、撤退することは全く考えていない」(平井氏)としている。