写真1●Zyncroの新バージョン(3.2.3)では「いいね!」ボタンが実装された
写真1●Zyncroの新バージョン(3.2.3)では「いいね!」ボタンが実装された
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写真2●オーシャンブリッジの高山知朗代表取締役社長(右)と執行役員 X-ディビジョン ディビジョンマネージャーの菅沼大輔氏(左)
写真2●オーシャンブリッジの高山知朗代表取締役社長(右)と執行役員 X-ディビジョン ディビジョンマネージャーの菅沼大輔氏(左)
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 オーシャンブリッジは2012年4月11日、企業向けSNS「Zyncro(ジンクロ)」の新バージョン(3.2.3)をリリースした。「いいね!」ボタン(写真1)や操作ログ管理機能を実装するなどの機能拡張を行ったほか、外部システムとの連携を強化。さらに、今バージョンからiPhoneアプリを提供する。

 Zyncroは、TwitterやFacebookのような「ウォール」によるリアルタイムコミュニケーション機能と、全文検索やフォルダ管理が可能なファイル共有機能を兼ね備える企業向けのSNSだ。スペインZyncro Techが開発した。国内向けには、Zyncro Techと独占販売契約のあるオーシャンブリッジが2011年5月から提供している。提供形態は、米Amazon Web Servicesの東京データセンターを利用したパブリッククラウドサービスを中心に、プライベートクラウドやオンプレミスにも対応する。

 新バージョンでは、基本機能の拡張、システム管理面の強化、モバイル対応、外部システムとの連携強化を実施した。オーシャンブリッジの高山知朗代表取締役社長(写真2右)は、「先進的な企業では、社内メールの不効率さに対する問題意識が高まっており、メールに替わるコミュニケーション手段として社内SNSが注目されている。今回のバージョンアップでは、“エンタープライズ環境で本当に使える”を開発コンセプトに、社内メールに替わる社内ソーシャルネットワークを目指して機能拡張した」と説明する。

 新しい基本機能として、他の人がウォールに書き込んだコメントや、自動的にウォールに投稿されるファイルの追加/更新情報に対して、Facebookのように「いいね!」を付けることができるようになった。また、ユーザーごとのコメント投稿数やファイルのアップロード回数を表示する「統計ダッシュボード」を追加した。システム管理面の強化としては、「特に国内ユーザーからの要望が多かった」(同社 執行役員 X-ディビジョン ディビジョンマネージャーの菅沼大輔氏、写真2左)というユーザー操作ログ管理機能を実装した。「“どのユーザーがどのファイルをどのIPアドレスからいつダウンロードしたか”というところまで詳細にログを取ることができる」(菅沼氏)。

 今バージョンから提供するiPhoneアプリは、ファイルのアップロードなどを除くZyncroの主要機能を、モバイル向けに最適化されたユーザーインタフェースから利用できることに加え、iPhoneで撮影した写真をグループのウォールへ投稿することが可能。なお、同アプリは現在、AppStoreに申請中の段階で、4月下旬以降にAppStoreに登録される予定だ。

 さらに、今回のバージョンアップでは、Active DirectoryやSharePoint、Googleカレンダーなど、外部システムとの連携範囲を拡大した。主にオンプレミス版での機能拡張として、Zyncroのユーザー認証やパスワード管理にActive Directoryなど既存のディレクトリサービスを利用したり、SharePoint上でZyncroを稼働したりといったことが可能になった。クラウドサービス版でも、グループのメッセージへのRSSフィードの取り込み、Zyncroのウォール内でのYouTube再生、GoogleカレンダーのZyncroからの閲覧などに対応した。