写真●PostgreSQLエンタープライズ・コンソーシアムの発起人企業
写真●PostgreSQLエンタープライズ・コンソーシアムの発起人企業
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 企業情報システムへのPostgreSQLの普及を推進する団体「PostgreSQLエンタープライズ・コンソーシアム」が2012年4月11日、発足した。共同発起人であるSRA OSS 日本支社、NEC、NTT、日立製作所、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)、富士通が理事企業となる。またアシスト、NECソフト、日立ソリューションズ、富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(富士通SSL)も発起人企業に名を連ねている。

 コンソーシアムでは活用情報の集約と発信、共同検証、開発コミュニティへのフィードバック、開発プロジェクト支援などを行う。「ミッションクリティカル性の高いエンタープライズ領域への普及を推進する」(理事長に就任したNTT 研究企画部門 OSSチーフプロデューサ 木ノ原誠司氏)。共同検証では、2012年度第1四半期以降に、スケールアップや信頼性、チューニングやディザスタリカバリ、DB監査やマイグレーションなどの検証を予定している。

 NTTグループでは、「すでに100件のオーダーでのPostgreSQLの導入実績がある」(NTT 木ノ原氏)という。PostgreSQLによるコスト削減効果は、2008年時点で5年間で20億~30億円と見積もっていた(関連記事)。PostgreSQLの導入件数は計画通り増えている。ただし、有償DBMSが値下がりしたため、精緻に計算すると削減コストは予想よりは少なくなると見ている。「PostgreSQLのほかLinuxなども含めたOSS導入によるコスト削減効果は、NTTグループ全体で6年間で累計100億円程度」(同)と推定している。

 事務局を担当するSRA OSS日本支社では「PostgreSQLのサポート契約は累計で約2000契約に達した」(日本支社長 石井達夫氏)という。ただし「まだ情報システム部門の担当者にもPostgreSQLが知られていないことも多い。情報発信によりもっと知名度を上げ、実績や性能を知ってもらいたい」と語った。

 入会金や会費は徴収しない方針。今後、多くの企業、団体からも参画してもらえるよう会員を広く募っていくとしている。