富士通は2012年4月11日、中国広東省にデータセンターを開設したと発表した。名称は「富士通中国華南データセンター」で、施設および運用・障害対応サービスを総合的に提供し、アウトソーシングビジネスを強化する。富士通グループが中国で所有するセンターは同拠点が初めて。

 同センターは広東省が開発した「広東金融ハイテクパーク」内にある。計画および設計は富士通が行った。広東省が管轄する政府系企業との合弁会社「富士通(広東)科技服務有限公司」によって運営する。中国現地企業、日系企業、多国籍企業を主な顧客として想定しており、運用については「日本国内で標準化した高い品質のプロセスを提供できる」(富士通)という。

 同センターの延床面積は1万2200平方メートル。施設はTier1から4まで数字が大きいほど高い品質を示す米国基準のうち「Tier3+」に相当するという。ロータリー式UPS(無停電電源装置)を備えており、電力供給が途絶えて発電機が稼働するまでの間、フライホイールという重量のある車輪の回転で電力を供給する。セキュリティ面では、静脈認証装置による入退室管理システムや、光ファイバーを使って微小な振動を検知する人間の侵入防止システムなどを備える。