米Yahoo!は現地時間2012年4月10日、大幅な組織再編について全社員が参加する会議で説明する。同社最高経営責任者(CEO)のScott Thompson氏が書いた内部メモから再編計画が明らかになったと、複数の米メディアが報じている。Yahoo!は4月4日に全従業員の14%に当たる2000人規模の人員削減を発表したばかりだ(関連記事:米Yahoo!、2000人規模の人員削減、「小さく、機敏で、収益性の高い企業へ」)。

 米Wall Street Journalの技術系情報サイト「AllThingsD」や米Forbesに掲載されているメモの内容によると、Yahoo!は同社の事業を「Consumer(消費者)」「Regions(地域)」「Technology(技術)」の3つの主要部門に集約する。

 内部メモの書き出しでThompson氏は、「Yahoo!が中核事業で勝つには、われわれ全員が顧客を一番に考えなければならない。当社の最優先事項は中核事業において勝利することであり、それによって新たな成長機会を追求できるということを明確にしておきたい」と述べている。

 再編後の消費者部門は優れたユーザー体験の構築に注力する。ホームページやニュース、スポーツ、金融情報サイトなどを扱う「Media」グループ、検索サイトや写真共有サイト「Flickr」、コミュニケーションツール「Mail」「Messenger」を含む「Connections」グループ、電子商取引の「Commerce」グループで構成される。

 地域部門は広告事業を担当する。技術部門はデータ分析やコンテンツ最適化のためのプラットフォームやデータセンターおよびクラウドインフラなどを消費者部門と地域部門に提供する。

 再編は5月1日付けで実施する。各部門の詳細な事業計画については今後数日間、あるいは数週間のうちに明らかにする。

 また、2010年より最高製品責任として製品部門を率いていたBlake Irving氏は退社することが決定している。米Wall Street Journalによると、同氏は先週のリストラ策発表の時点で、近いうちに退社する意向を示していた。

 Yahoo!では1月にCEOに就任したThompson氏のもと、積極的な経営再建が進められているが、経営陣の刷新を求める有力株主の米Third Pointが委任状争奪戦に向けた行動を起こすとしており、経営権をめぐる問題にも直面している(関連記事:Yahoo!、事業立て直しに向け新たに3人の取締役を指名)。