写真1●IBM DB2 V10.1の管理画面
写真1●IBM DB2 V10.1の管理画面
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 日本IBMは2012年4月10日、RDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)の新版「IBM DB2 V10.1」(写真1)の販売を開始した。新版では、行と列の両方でアクセスを制御できるようにしたほか、データ圧縮効率を高めた。価格は、66万9800円(以下、税別)から。4月30日にダウンロード出荷、6月11日にパッケージ出荷を開始する。

 DB2は、マルチプラットフォームで動作するRDBMSである。メインフレーム(Linux)やUNIX機(AIX、Solarisなど)、PCサーバー(Linux、Windows)などで動作する。直近の前版では、データ格納領域を削減する独自の圧縮機能を備えたほか、DB2標準の言語に加えてOracle DatabaseのPL/SQLを用いてストアードプロシージャを開発できるようにした。

 今回の新版では、アクセス制御機能など、主に三つの機能を強化した。

 (1)アクセス制御機能を強化した。これまで行ごとや列ごとでしか制御できなかったアクセス制御を、行と列の両方を組み合わせて制御できるようにした。これにより、個々のデータに対するアクセス制御が可能になった。

 (2)データ圧縮機能を強化した。従来版では、表を構成する複数のページごとに独立して圧縮していた。新版では、ページごとに圧縮した後で、複数のページを合わせた表全体を、さらに圧縮する。同社による実験では、従来版が54.1Gバイトのデータを21.2Gバイトへと約40%にまで圧縮したのに対し、新版は8.4Gバイトへと約16%にまで圧縮した。

 (3)データの参照/更新速度を強化した。具体的には、表ごとに、利用するストレージ(ボリューム)を使い分けられるようにした。あらかじめ設定しておく必要があるが、使用頻度が高い表を高速なストレージに、使用頻度が低い表を低速なストレージに格納できる。

 エディション構成は四つ。それぞれ、標準搭載機能や使用メモリーの上限などが異なる。価格は以下の通り。(1)「DB2 Express Edition」は66万9800円。(2)「DB2 Workgroup Edition」は153万円。(3)「DB2 Enterprise Edition」は487万円。(4)「DB2 Advanced Enterprise Edition」は487万円。いずれも、CPU性能は100VU(バリューユニット)の価格となる。