台湾HTCは現地時間2012年4月6日、2012年第1四半期の決算を発表した。売上高は677億9000万台湾ドルで前年同期と比べ34.92%減少した。税引き後利益は44億6400万台湾ドル(1株当たり5.35台湾ドル)で、前年同期の148億3300万台湾ドル(同18.36台湾ドル)から約70%落ち込んだ。営業利益は、前年同期の164億7000万台湾ドルから50億9900万台湾ドルに縮小した。

 米メディアの報道(Wall Street Journal)によると、HTCは当期の業績不振の要因として、市場の競争激化と世界経済の停滞を挙げている。6年前に自社ブランドで携帯電話を発売開始して以来、最も低い利益となった。同社は2010年から2011年初頭にかけてシェアを伸ばし、1年前の米国スマートフォン市場ではAndroid端末ベンダーとしては最大シェアを占めていた。しかし2011年後半から米Appleの「iPhone」、韓国Samsungの「Galaxy」に押されて苦戦している。

 なおHTC最高財務責任者(CFO)のWinston Yung氏は、引き続き中国での販売が好調であることを強調し、「Android 4.0」(開発コード名は「Ice Cream Sandwich」)搭載の新シリーズ「HTC One」が発売されれば売上高および利益ともに回復するとの見込みを示している(英Financial Timesの報道)。

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