米Gartnerが現地時間2012年4月5日に公表したIT支出額の推計によると、2012年の世界支出額は、前年から2.5%増の3兆7000億ドルになる見通し。同社の事前予測値3.7%増から下方修正した格好だが、これは最近のドル高を考慮した結果。為替の影響を除いた場合の成長率は5.2%となり、同じ条件の事前予測値4.6%を上回るとGartnerは予測している。

 欧州の債務問題、原油価格や中国の不動産価格の高騰など懸念は続くものの、2012年のこれまでの状況を見ると世界経済回復の見通しは若干ながら明るいとしている。

 2012年の分野別推計額は、コンピューティングハードウエアが前年比4.3%増の4210億ドル、法人向けソフトウエアが同5.0%増の2800億ドル。ITサービスは同1.3%増の8560億ドル、通信機器は同6.9%増の4720億ドル、通信サービスは同1%増の1兆7210億ドル。

 通信機器市場が最も高い伸びを示すと予測しているが、これはモバイル端末の堅調な伸びが続くことに加え、法人向けネットワーク機器への支出が増えるためという。

 官公庁のIT支出は欧州圏の緊縮財政が要因となり、2012年から2013年にかけて若干縮小する。これに対してIT支出全体の4分の1を占める中小企業が好調で、その支出額は2012年に8740億ドル、2016年には1兆ドルに達するとGartnerは見ている。とりわけ中規模企業がほかのどのセクターをも上回る見通し。中規模企業のIT支出額は今後5年間、法人向けソフトウエアを中心に伸びていくとGartnerは予測している。

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