米Yahoo!は現地時間2012年4月4日、全従業員の14%に当たる2000人規模の人員削減を実施すると発表した。「より小さく、機敏で、収益性の高い企業へと再生し、中核事業に集中するため」としており、これにより年間3億7500万ドルのコスト削減を見込んでいる。

 リストラ策によってYahoo!は、顧客ニーズに迅速に応え、自社の勝てる分野でより効率的に競争していくとしている。そのために「中核事業の中の特定部門」「中核事業を支えるプラットフォーム」「ユーザーのパーソナル化や投資家のROI(投資対効果)を高めるデータ」の三つを主要ビジネスと位置付け、世界規模で資源を集中させていく。

 同社のScott Thompson最高経営責任者(CEO)は声明で、「残念ながら目標達成のためには苦渋の決断が必要だ」と述べている。Yahoo!は同日から2000人を対象に、解雇または段階的な異動を通知する手続きを始めるとしている。Yahoo!の従業員数は2011年12月末時点で1万4100人だった。

 Yahoo!では2011年9月にCarol Bartz前CEOが解任され、今年1月には共同創業者のJerry Yang氏が退任するなど混乱が続いている(関連記事:Yahoo!共同創業者のYang氏が取締役を辞任、「別のことを追求する時が来た」)。1月に就任したThompson CEOの下で経営再建が進められているが、経営陣の刷新を求める有力株主、米Third Pointが委任状争奪戦に向けた行動を起こすとしており、Thompson CEOは経営権をめぐる問題にも直面している(関連記事:Yahoo!、事業立て直しに向け新たに3人の取締役を指名)。

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