カスペルスキーは2012年4月4日、コンピュータウイルス「DNS Changer」に関する日本語の情報ページを公開し、無償駆除ツールを使ってDNS Changerの感染確認を行うよう注意を促した。

 DNS Changerとは、パソコン上のDNS設定を勝手に書き換える不正プログラムのこと。DNS Changerに感染すると、ユーザーはインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)のDNSサーバーではなく、全く別のDNSサーバーを使わされることになる。

 このDNS Changerを使い、不正なDNSサーバーと不正なWebサイトに誘導して大規模なネット詐欺を行っていた犯罪グループは、2011年11月にFBI(米連邦捜査局)によって逮捕・起訴された(関連記事:史上最大規模!サイバー犯罪グループを追う)。しかし、DNS Changerに感染したパソコンが世界中にまだ存在しているため、現在は、DNS Changerが参照する不正なDNSサーバーをFBIが正常化して運用している。

 「FBIは3月8日に閉鎖する予定だったDNSサーバーの運用を、4カ月間延長した。ただし7月以降、どうするかは明らかにしていない」(カスペルスキー)。このため、DNS Changerに感染したパソコンでは、7月以降にWebサイトにアクセスできなくなるなどのトラブルが発生する可能性がある。こうした事態を重く見たカスペルスキーは、十分な対処時間を持てるこの時期に注意を喚起することにしたという。

 現在は正常にWebサイトにアクセスできているパソコンも、念のため、無償駆除ツールを使って検査した方がよいだろう。

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