欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)は現地時間2012年4月3日、米Motorola Mobilityに対して競争法(独占禁止法)に関する正式調査を開始したことを明らかにした。Motorolaが標準策定機関との取り決めに違反するかたちで一部標準必須特許を乱用することで欧州市場の競争を阻害していないかを調べる。

 調査は米Appleと米Microsoftの苦情申立を受けたもの。Microsoftは2月に、Motorolaが標準必須特許について法外な使用料を請求してきたとして、Motorolaおよび同社買収を予定している米Googleを提訴している(関連記事:Microsoft、GoogleとMotorolaを欧州競争法違反で提訴)。

 ECは、Motorolaが公正で合理的かつ差別のない(FRAND:Fair, Reasonable, and Non-Discriminatory)条件で供与すべき標準必須特許を悪用して、Appleのモバイルデバイス「iPhone」や「iPad」、およびMicrosoftのOS「Windows」やゲーム機「Xbox」といった主力製品の差止を狙っているかどうかに焦点を当てるとしている。また、Motorolaが不当なライセンス料を提示したとするAppleとMicrosoftの主張についても検証する。

 なおECは韓国Samsung Electronicに対しても、標準必須特許の供与に関する同様の調査を行っている(関連記事:欧州委、Samsungを競争法違反の疑いで正式調査へ)。

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