米Dellは現地時間2012年4月2日、シンクライアントベンダーの米Wyse Technologyを買収することで両社が最終合意に達したと発表した。この買収により、Dellはデスクトップ仮想化機能を大幅に強化し、企業向けソリューションのポートフォリオを拡充する。両社は買収金額について明らかにしていないが、手続きの完了はDellの2013会計年度第2四半期(2012年5~7月)を見込んでいる。

 Wyse Technologyは、デスクトップの仮想化機能と高度な管理機能を備え、デスクトップやノートパソコン、モバイル機器に対応したクライアントソリューションを展開している。1981年に設立され、世界50カ国以上に顧客を抱える。世界で2000万台以上の製品出荷実績があり、Dellが引用した米IDCの調査結果によると、2011年第4四半期に世界のシンクライアント市場で首位を獲得した。保有特許は申請中も含めて180件以上。米Cisco Systems、米Citrix、米IBM、米Microsoft、米VMwareなどと提携を結んでいる。

 米メディアの報道(Wall Street Journal)によると、Wyse Technologyの直近の会計年度の売上高は3億7500万ドルで45%成長し、2ケタの営業利益率を達成した。Dellはパソコン販売の軟化に直面し、ストレージ、セキュリティ、サービス、ネットワーキングを含む企業向け事業に焦点を移しており、2009年以来、39億ドルにのぼる米Perot Systems買収をはじめ10社以上のSaaS関連企業を買収している。Wyse Technology買収の報道を受け、Dellの株価は1.4%高の16.82ドルを付けた。

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