図1 Flash Player 11.2のインストール時に表示されるダイアログ例
図1 Flash Player 11.2のインストール時に表示されるダイアログ例
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図2 Flash Playerの設定画面例
図2 Flash Playerの設定画面例
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 米アドビシステムズは2012年3月28日、「Flash Player」の最新版「Flash Player 11.2」を公開した。Windows版では、ユーザーが何もしなくても最新版に更新される「バックグラウンドアップデート機能」を搭載。2件の脆弱性も修正した。

 今回公開されたFlash Playerの正確なバージョンは11.2.202.228。Windows版のほか、Mac版やLinux版なども用意する。Windows版の特徴は、バックグラウンドアップデート機能を搭載したこと。

 Flash Player 11.1以前でも、新版の有無を自動的にチェックする機能を備え、新版がある場合には、パソコンの起動時などにユーザーに通知する。ただ、新版のダウンロードやインストールはユーザーが行う必要があるため、アップデートされないケースは少なくないと考えられる。

 今回公開されたバージョン11.2では、バックグラウンドで自動的にアップデートする機能を備えた。Flash Playerは定期的にアドビシステムズのサーバーにアクセスして新版の有無をチェック。新版が公開されている場合には自動的にダウンロードして、バックグラウンドでインストールする。

 同機能を有効にするかどうかは、Flash Player 11.2のインストール時に尋ねられる(図1)。そこで、「新しいアップデートがリリースされたら自動的にインストールする (推奨)」を選べば有効になる。

 従来通り、新版が公開されたら通知するだけにすることも可能だが、同社では、バックグラウンドアップデートの利用を推奨している。

 インストール後に設定を変更することもできる。Webブラウザー上に表示されているFlashコンテンツをマウスで右クリックし、表示されたメニューで「グローバル設定」を選択。表示されたダイアログで、「高度な設定」を選べば、アップデート方法を変更できる(図2)。

 また、複数のWebブラウザーを利用している場合には、全てのWebブラウザーに対応したFlash Playerの新版が自動的にインストールされるようになる。

 具体的には、Internet Explorer(IE)で使われるActiveXコントロール版と、IE以外のWebブラウザーで使われるプラグイン版の両方が自動的に更新される。今までのように、それぞれのWebブラウザーで更新する必要がなくなる。

 なお、ChromeではFlash Playerが組み込まれているので、Chrome自身をアップデートすることで対応する。Chromeにも自動更新機能があるので、ユーザーが意識する必要はない。

 Flash Player 11.2では、新たに見つかった2件の脆弱性も修正された。脆弱性を悪用されると、ウイルスを勝手に実行されるなどの危険性がある。ただ、現時点では悪用は確認されていない。

 同社では、今回の脆弱性の深刻度を、4段階評価で最も危険な「Critical」に設定。対応の優先度を「2」として、30日以内にはFlash Player 11.2に更新するよう呼びかけている。