欧州電気通信標準化機構(ETSI)は現地時間2012年3月30日、携帯電話に差し込んで使うSIMカードの第4世代形状(4FF:fourth form factor)の規格策定に関する決定を先送りにすると発表した。

 4FFは既存のmicro-SIM(マイクロSIM)より小さい形状で「nano-SIM(ナノSIM)」と呼ばれている。ETSIは昨年より策定に取り組み、米AppleとフィンランドNokiaがそれぞれ規格仕様を提案している。NokiaはAppleの提案がETSIの定める必要条件を満たしていないと指摘するほか、Appleの提案は標準化プロセスの誤用に基づいているとしてApple案が採用された場合は関連の必須特許を供与しないと明言していた。またNokiaと協力しているカナダResearch In Motion(RIM)は3月28日、Appleが不正な投票手続きを行ったとして苦情を申し立てていた(米InfoWorldの報道)。

 ETSIは3月29日~30日にフランスで開催された会議で採用する仕様を決める投票を行う予定だったが、これを延期した。その理由として「より広範な同意を業界から得るため」としている。次回の投票は5月31日~6月1日に開催される大阪の会議を予定している。それ以前に臨時会議を招集する可能性はあるが、その場合には少なくとも30日前に通知するという。

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