荘内銀行と北都銀行を傘下に抱えるフィデアホールディングス(HD)は2012年3月30日、NTTデータが開発中の新型クラウドサービス「BeSTAcloud」の利用を決めたと発表した。BeSTAcloudは地方銀行などに勘定系システムの機能を提供するサービス。フィデアHDは第一号ユーザーとして、2014年中に同サービスの利用を始める。

 NTTデータはBeSTAcloudの提供にあたって、マルチテナント型のアーキテクチャーを採用する。これにより、ハードウエアなどの共用によるITコストの削減と、個別ニーズへの対応の両立を目指す。BeSTAcloudのシステム構成については、中核にNTTデータ製勘定系パッケージ「BeSTA」を適用、動作プラットフォームには日立製作所製メインフレームを使う。

 北都銀行は現在、富士通の勘定系システム「PROBANK」を稼働させている。荘内銀行は、NTTデータが提供する既存の地銀向け共同サービス「地銀共同センター」を利用している。両行はそれぞれのシステムから、BeSTAcloudに乗り換える。

 荘内銀行と北都銀行は2009年に、NTTデータの第二地銀向けサービス「STELLA CUBE」の利用を検討することでNTTデータと基本合意していた。だが、移行費がかさむなどの問題から、採用決定には至らなかった。荘内銀行が利用する地銀共同センターに北都銀行が合流する案もあったが、北都銀行と競合する秋田銀行が先に加盟していることなどから断念していた。