画面1●goocusの画面例。フォローしているユーザーが検索し閲覧したWikipedia記事のタイトルを表示する
画面1●goocusの画面例。フォローしているユーザーが検索し閲覧したWikipedia記事のタイトルを表示する
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画面2●goocusが搭載するふせん機能の画面例
画面2●goocusが搭載するふせん機能の画面例
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 ソーシャルラーニング・サービスを提供するキャスタリアは2012年3月30日、Wikipediaを使った学習支援アプリ「goocus(グーカス)」の提供を開始した。iPhoneとAndroidで動作する。iPhone版はアップルのアプリ配信サービスであるApp Storeから、Android版はグーグルのアプリ配信サービスであるGoogle Playから無料で入手できる。

 最大の特徴は、Wikipedia上での検索履歴を、ソーシャルグラフ(人間関係)を通じてシェアする機能にある。友人関係にあるユーザーの検索履歴がホーム画面で確認できる(画面1)。「自分に近しい他のユーザーによる検索履歴を通じて、自分の知識の幅、興味の枠を広げられる」(キャスタリアの景山泰考取締役/クリエイティブディレクター)というのがgoocusの売りである。

 アプリの検索フォームに自分が知りたいキーワードを入力すると、画面上でWikipediaの該当記事が閲覧できる。そのキーワードが、自分をフォローしている他のユーザーの画面上にも通知される格好だ。他のユーザーはそのキーワードをクリックすれば、同じWikipedia記事が画面上に表示される。

 「ふせん機能」を使えば、検索キーワードに対してコメントを残せる(画面2)。コメントは友人関係にあるユーザーにもシェアされる。「自分のメモとして使うのはもちろん、『それに関連した話題にこんなものがあるよ』といった形で、ユーザー同士でヒントを出し合うような使い方を想定している」(キャスタリアの景山取締役)。

 また、Facebookとの連携機能を備えている。Facebookで友だち関係にあるユーザーがgoocusのユーザーでもある場合、goocus上のソーシャルグラフ管理リストにそのユーザーが表示される。また、ふせんの内容をFacebookの「ウォール」上に表示させることも可能。

 スマートフォンのGPSを使ったWikipedia記事の推薦機能も備える。ユーザーの現在地情報と、建物や史跡など座標情報を持ったWikipedia記事をマッチング。近隣にある建物や史跡などの情報が書かれた記事のタイトルを表示する。

 goocusはこれまでベータ版として試験的に提供していた。

 キャスタリアは米ガートナーが2011年4月に発表したレポート『Cool Vendors in Human Capital Management(人的資本管理の注目ベンダー)』で、世界の「Cool Vendor(注目ベンダー)」5社中の1社として取り上げられている。

 ソーシャルラーニングはSNSが備えるようなソーシャル機能を使って学習効果を高める考え方、およびその支援技術を指す。