勘定系システムの開発失敗を巡りスルガ銀行が日本IBMに115億8000万円の損害賠償を求めた裁判(関連記事1関連記事2)で、日本IBMに74億円超の支払いを命じた東京地方裁判所の判決について、日本IBMは2012年3月29日、「東京高等裁判所に控訴する方針」(広報)とコメントした。

 日本IBMは「本件のような複雑なシステム開発プロジェクトにおいては、ベンダーとユーザーの双方が、説明義務や協力義務を果たし、それぞれの責務を履行することが求められる」(同)とした上で、「裁判所がスルガ銀行の請求額の36%を否定したことは評価できるが、当社に責任がある旨の結論となった部分は不合理。当社はスルガ銀行に対する義務を全て果たしている」(同)と述べる。

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■変更履歴
スルガ銀による賠償請求額について、当初の記事では「111億700万円」と書いていました。スルガ銀が日本IBMを訴えた当時の請求額はこの額の通りでしたが、スルガ銀はその後損害額を精査し直し、請求額を115億8000万円に引き上げていました。このため、記事本文もこの事実に合わせて訂正しました。本文は修正済みです。[2012/3/29 20:10]