写真1●ハードウエア監視チップの新版「iLO 4」を搭載したPCサーバー機(写真はブレード型サーバーのBL460c Gen8)
写真1●ハードウエア監視チップの新版「iLO 4」を搭載したPCサーバー機(写真はブレード型サーバーのBL460c Gen8)
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 日本ヒューレット・パッカードは2012年3月29日、PCサーバー機「HP ProLiant」の新版「Gen8」を発表した。Gen8では、システム監視用のハードウエアチップを新世代のものに置き換えた(写真1)。これにより、約1年半分の監視ログをハードウエアレベルで蓄積できるようにした。2012年3月29日に、第一弾となる6機種の販売を開始した。開発会社は、米Hewlett-Packard。

 ProLiant Gen8では、システム監視用チップの新版「iLO 4」を搭載した。同チップが、PCサーバーを構成する個々のハードウエア部品の稼働状況や健康状態を日常的に監視し、監視データを容量1Gバイトの専用フラッシュメモリーに蓄積する。これにより、システム障害時に障害の原因を突き止めやすくなる。また、システム障害の予兆が分かるため、ハードウエア交換などによって、障害を未然に防ぎやすくなる。

ハードウエアチップが、OSとは独立してTCP/IP通信

 2012年夏を目処に、OSを介することなく、iLO 4から直接、日本HPのコールセンターにTCP/IPで情報を通知できるようにする。この場合、iLO 4には専用のIPアドレスが振られ、独立して動作するコンピュータとして振る舞う。システム監視の異常値(システム障害の予兆や、システム障害を示す値)を計測した際に、iLO 4専用のネットワークポートを介して、iLO 4が日本HPと直接通信する。

 現状でも、システム監視データを日本HPに自動的に通知する仕組みはあるが、ソフトウエアベースの技術だった。具体的には、OS上にシステム管理ソフト(Insight Remote SupportやInsight Manager)のエージェントをインストールし、管理ソフトを介して通知する必要があった。Gen8では、こうしたソフトウエア層を介すことなく、ハードウエアチップ(iLO 4)だけで通知できるようにした。

Gen8に合わせ、資産/障害情報を閲覧するWebポータルを用意

 また、Gen8の販売開始に合わせて、iLO 4が収集した各種の情報をWebポータル上で確認できるようにするサービス「Insight Online」を開始する。ハードウエアの資産情報、保守期間などのサポート契約情報、システム障害対応履歴、iLO 4によるシステム監視情報、などをポータル画面で可視化する。Insight OnlineはGen8用の新規サービスとして用意するものだが、Gen7以前の機種からも利用できるようにする。

 3月29日に販売開始した6機種の価格(税込み)は、以下の通り。タワー型の「ML350p Gen8」が21万4200円から。ラックマウント型の「DL360p Gen8」が29万8200円から。ラックマウント型の「DL380p Gen8」が33万4950円から。ブレード型の「BL460c Gen8」が35万2800円から。スケールアウト向けの「SL230s Gen8」が22万500円から。スケールアウト向けの「SL250s Gen8」が24万7800円から。