東日本旅客鉄道(JR東日本)は、駅構内における公衆無線LANサービスに参入する。子会社が設置・運営するアクセスポイントを公衆無線LAN事業者に貸し出す形で、まずは2012年3月30日から東京山手線内でサービスを開始。今後は首都圏の主要駅を中心にサービスを順次拡充していく。

 30日にサービスを開始するのは、山手線の全29駅と、中央線の御茶ノ水-千駄ヶ谷の6駅で、アクセスポイントの総数は119カ所。アクセスポイントの設置場所は、ホームやコンコースにある売店、コンビニ、自動販売機など。サービス開始当初は、NTTドコモの「docomo Wi-Fi」、KDDI(au)の「au Wi-Fi SPOT」、ソフトバンクモバイルの「ソフトバンクWi-Fiスポット」、ワイヤ・アンド・ワイヤレスの「Wi2 300」の4サービスにアクセスポイントを貸し出し、各アクセスポイントにおいて4サービスのSSIDを発信する。

 アクセスポイントの設置・運営は、子会社のJR東日本メカトロニクスが担当する。アクセスポイントからインターネットへの接続回線には、JR東日本が出資しているUQコミュニケーションズの「UQ WiMAX」を使用する。なお、JR東日本の一部の駅では、ソフトバンクテレコムが旧日本テレコム時代に設置した「BBモバイルポイント」のアクセスポイントも運営されている。このアクセスポイントは、今回新設するアクセスポイントとは別に、今後も並行してサービスを提供する。

 一般に公衆無線LANのアクセスポイントは、公衆無線LAN事業者に設置・運営を委託するのが一般的だが、「駅構内においてアクセスポイントを効率良く設置していくことと、設置したアクセスポイントを一元管理しやすくすることを考慮した」(JR東日本広報)ため、既に自動改札機や自動券売機などの設置・運営で実績のあるJR東日本メカトロニクスが担うことにした。

 今後については、「具体的な設置計画は今後詰めるが、首都圏の駅を中心にアクセスポイントを拡充していきたい。今後の設置分についても、JR東日本メカトロニクスが設置・運営を担う体制にする」(JR東日本広報)としている。