日本民間放送連盟(民放連)の次期会長である井上弘氏(TBSテレビ代表取締役会長)は2012年3月28日の会見で、4月1日の会長就任に当たっての所感を述べた。

 テレビとインターネットの関係については、「インターネットとは共存共栄でいたい」という。「インターネットは伝送の手段」としたうえで、「インターネットを巻き込んでテレビ番組をより多くの人に見てもらいたい」とした。

 地方のローカル局に関して、「地方での情報発信は放送業界の使命だと思っている」という考えを示した。さらに「経営判断は各局が行うことになるが、民放連としてできることがあればお手伝いしたい」と意欲を見せた。

 ラジオの将来像についての質問に対しては、「現在、ラジオ委員会でVHF帯ローバンド(V-Low)を使うマルチメディア放送について研究を進めている」という。V-Lowについて、「ハード面や資金面などを含めて、V-Lowのあり方をどう考えていくのか。緊急に検討する課題だと思っている」と述べた。

 日本放送協会(NHK)と民放の関係については、「公共放送と民間放送の二元体制を維持したい」とする一方で、「民業圧迫に見えるようなことは控えてもらいたい」とした。NHKのインターネット活用をどう考えるかという質問に対しては、「インターネットを活用しないでほしいと言うつもりはないが、インターネット同時再送信はやめてほしい」と述べた。「仮にNHKの番組がインターネット経由で全国に配信されることになった場合、地方局の経営がかなり圧迫されるのではないか」と懸念を示した。