NTTデータは、放送局などのメディア事業者向けに、スマートフォンやタブレット端末を用いてテレビ放送とインターネットのコンテンツの連動を可能にする「ダブルスクリーンサービス」の提供を2012年度上半期に開始すると発表した。NTTコミュニケーション科学基礎研究所が開発したFingerprint技術を用いることで、同期をとった形で異なる端末間でのコンテンツ連動を可能とする。2012年度中に20社導入を目指す。

 このサービスでは、マスタデータとして登録した特徴データと、スマートフォンやタブレット端末から抽出した探索用特徴データを瞬時に照合する。放送波を利用することでマスターデータとして用いる特徴データをリアルタイムに生成することも可能。NTTデータは、これら特徴データの抽出機能および照合機能を提供する。

 想定される用途の例は次の通り。まず放送波から特徴データを抽出し、リアルタイムにマスタデータを登録する。視聴者は、番組視聴時にスマートフォンあるいはタブレット端末のアプリを起動する。端末に搭載されているカメラやマイク機能でテレビ番組の音声や映像を取得し、自動的に特徴データを生成し、NTTデータにあるマスタデータと照合する。照合結果から番組関連情報(放送チャンネル、番組名、放送時間など)を返却する。返却された情報をキーに関連した内容を指定し、スマートフォンあるいはタブレット端末上に表示させる。この結果、番組の関連情報やWebサイト、SNSのリンクなど様々な情報を、放送内容と連動する形でスマートフォンなどの端末上に表示できる。

 NTTデータは今後、通信による遅延の最小化などユーザーへの関連情報の提示をさらにタイミングよく行うための工夫を導入していく予定。なお、2012年4月に開催される世界最大の放送関連イベント「NAB Show」への出展も予定する。NTTエレクトロニクスと連携し、エンコーダ/トランスコーダからの特徴データの自動生成も含めたダブルスクリーンサービスのデモンストレーションを予定する。

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