写真●会場は東京・渋谷の「VOYAGE GROUP」の会議室
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 2012年4月21日と22日に行われる開発イベント「International Space Apps Challenge」のプレイベントが、3月26日の夜に開催された(写真)。International Space Apps Challengeは、NASA(米航空宇宙局)などが公開しているデータを活用し、新しいソフトウエアやオープンハードウエア、市民科学、データの可視化などを実現しようというグローバルイベント。東京のほか、サンフランシスコやオックスフォード、ジャカルタなど世界各地の都市と南極のマクマード基地、国際宇宙ステーション(ISS)の全20カ所で行われる。希望者は、本部のサイトから参加登録できる。

 NASAがオープンにしているデータは「data.NASA」であり、宇宙や地球の様々な写真、星の軌道、マイクロ波の観測データ、地球での海水の循環や大気の微粒子など、宇宙と地球に関する多種多様なデータが用意されている。その概要のほとんどが、日本のボランティアスタッフによって日本語化されている。

 現在、米国では「Open Government Partnership」計画を推進しており、公開できる情報は公開しよう、というポリシーに基づき政府関連の情報を積極的に公開している。NASAもその一環として、今まで公開されていなかったりばらばらになっていた宇宙や地球に関するデータを集め、誰でも利用できるようにしている。

 3月26日に行われたプレイベントでは、NASAやJAXA(宇宙航空研究開発機構)が提供する技術、データ、APIなどに詳しい専門家が参加し、その内容や利用時の注意点を解説した。その説明を基に、開発者らが4月に開催されるイベントの開発テーマを議論した。

 約30人の参加者から出た開発テーマのアイデアは、「3Dプリンタによる衛星軌道などのマテリアライゼーション」「軌道データを活用したゲーム」「月震の可視化」「自宅で見られるプラネタリウム」「リアルGoogle Earth」「衛星写真の時系列変化を見るサービス」など多岐にわたる。

 現在、第2回の勉強会の開催を検討中で、その追加アイデアを加えて4月21日と22日のイベントを迎える予定である。