東北大学金属材料研究所は、科学技術計算向けのスーパーコンピュータとして、日立製作所の「SR16000モデルM1」を採用したと発表した。理論演算性能は300テラフロップスで、従来システムの約40倍。主記憶(メモリー)は42.25テラバイトである。2012年4月16日に稼働を始めるという。

 この新スーパーコンピュータにより、量子物理学の原理を基に材料の特性をシミュレートする「第一原理シミュレーション計算」にかかる時間を10分の1に短縮できる。燃料電池用電極や太陽光発電パネルなどに使う材料の設計に使えるという。

 SR16000モデルM1は、プロセッサとして米IBMの「POWER7」を採用する。一般的なPCクラスタと比べ、1ノード当たりの演算性能やメモリー量を高めたのが特徴。1ノード当たりの理論演算性能は980ギガフロップス、メモリー量は274ノード分が128Gバイト、32ノード分が256Gバイトである。大容量のメモリーが使えることで、フーリエ変換処理などでメモリーを多用する第一原理計算の実行速度を高めやすくなったという。