米Strategy Analyticsは現地時間2012年3月23日、世界スマートフォン市場に関する調査結果を発表した。それによると、LTE方式の高速通信ネットワークに対応したスマートフォンの出荷台数は、2011年の680万台から2012年は約10倍の6700万台に達する見通しという。

 LTEの成長をけん引する国は主に米国、日本、韓国で、米Verizon Wireless、NTTドコモ、韓国SK Telecomなどのモバイルキャリアーが積極的にLTEネットワークの拡大を進めている。また、米Apple、韓国Samsung、台湾HTC、韓国LG、フィンランドNokia、米Motorola、韓国Pantech、富士通がLTE対応端末の展開を先導する。

 Strategy Analytics執行ディレクターのNeil Mawston氏は、「LTEはどのキャリアー、サービス開発者、端末ベンダーや部品メーカーにとっても無視できない急成長の高価値市場になっている」と述べている。

 しかし、LTEは成長初期段階の課題をいくつも抱えていると、同社Tom Kangディレクターは指摘する。多くのLTEスマートフォンの端末価格とデータプランは比較的高額なため、キャリアーはより多くの加入者に利用を促すために多額の助成金を負担しなければならない。一方、消費者にとっては、バッテリーの消耗や端末の重さが気になるほか、データ通信の過剰使用による高額請求といった不安がある。

 なお同調査のデータを引用した米メディアの報道(InfoWorld)によると、LTEは今年大幅に成長するもののスマートフォン市場全体から見るとまだ約10%のシェアにとどまるという。Strategy Analyticsは2012年における世界のスマートフォン販売台数を約6億5000万台と予測している。

[発表資料へ]