米ヒューレット・パッカード(HP)は現地時間3月21日に株主総会を開いた。メグ・ウイットマンCEO(最高経営責任者)は総会の冒頭に「昨年9月に就任してから多くの社員や取引先と会って、勝ち抜く戦略を練っている。HPなしでは米軍は船を出せない。HPなしでは世界は動かない。そうした役割を担っている」と強調した。

 一方で、売上高や成長率が下がっていることに触れて、「ここから抜け出さなければならない」とした。ただ「タイの洪水の影響もあり、世界経済も環境は良くない。また円高もプリンター事業に影響を与えている」と説明した。そのために成長軌道に乗るにはしばらく時間が必要との見方を示し、財務諸表の改善を宣言した。

 主力のプリンター事業の売上高が落ちていることに触れる一方、パソコン事業は「魅力的な新製品がそろっている」と強調し、世界で一番のIT製品とサービス会社になるとした。同日発表したプリンターとパソコン事業の統合をきっかけに、「顧客の課題を解決する力を高める」考えだ。

 株主からは「アップルのスティーブ・ジョブズ氏のようにまず技術力を高めてから企業価値の拡大を考えるべきでは」との質問が出た。ウイットマンCEOは「サーバー事業でもプリンター事業でも業界の上位におり、製品開発を強化すればさらに成長できる。パソコン事業は利益が少ないが、技術革新の力を高められる」と答えた。