日本IBMは2012年3月22日、業務システムのグローバル展開を支援する日本企業向けサービス「IBM Global Ready Solution」を本日から提供すると発表した。特徴は、日本IBM社内でシステムや業務のグローバル化に携わった実務経験者がサービスを監修していること。販売や人事など7分野の14領域に対応でき、あらかじめ用意した基本機能を顧客ごとにカスタマイズなどを加えて提供する。

 全世界でシステムや業務手順を統一するだけでなく、地域の商習慣や制度も反映できるよう配慮されているという。IBMグループは米本社を中心に、購買活動の集中管理や人事システムの統合などに取り組んできた。「購買システムでは1990年から20年間の苦労があり、こうした知見を今回のサービスに盛り込んだ」(金巻龍一 常務執行役員)。例えば購買システムや人事システムは、米本社と日本法人が密に議論を重ねた結果、日本の商習慣や制度なども反映させた統一システムが稼働した。これらの実務経験を、日本IBMの担当者が今回のサービスを監修して反映させたという。

 サービス提供にあたっては、まず顧客の課題や目標を洗い出すための、最短で数日程度のコンサルティングを実施する。「我々の経験から、『世界でのシステム一本化』が容易でなく、IBMの仕組みがそのまま顧客に適用できないことはよく理解している。まず顧客と議論から始め、グローバル化を阻害する要因を発見していく」(金巻常務)。

 こうしたコンサルティングの結果を踏まえ、あらかじめ用意したパッケージソフトやクラウドサービスの活用方策を顧客と決めていく。例えば販売の領域では「IBM Unica」や「IBM Coremetrics」などのソフトウエアを使うひな形を用意。社内コラボレーションの分野では1人当たり年額1万円から利用できるクラウド型のグループウエアを活用する。

 サービスを提供するのは販売、人事、アカウンティング(財務・経営)、コラボレーション、チェーン(サプライチェーンや購買)、アウトソーシング、ITの7分野。「チェーン」はサプライチェーンと購買、「アカウンティング」は経営情報のダッシュボード化と財務など各分野ごとに二つの領域のサービスを用意した。提供するサービスは全14種類となる。