写真1●EMC DLm2000の外観
写真1●EMC DLm2000の外観
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 EMCジャパンは2012年3月22日、IBMメインフレーム向け仮想テープ装置の中規模向けモデル「EMC DLm2000」(写真1)を出荷した。既存のエントリーモデル「DLm120」の後継に当たり、現行機種としては2011年9月に出荷したハイエンドモデル「DLm6000」に次ぐ。DLm2000の特徴は、データ格納用に統合ストレージの現行機「EMC VNX」を組み合わせていること。価格は個別見積もり。

 DLm2000は、メインフレーム(z/OSを動作させたIBM System z)用の仮想テープ装置である。ディスクストレージにデータを格納しつつ、あたかもテープ装置であるかのようにアクセスできる。メインフレームとは、FICONで接続する(FICONポート数は2~4)。製品構成は、SAN/NAS統合ストレージであるVNX(ラック型)に、仮想テープ機能を提供するユニットを組み合わせている。

 既存のDLm120と比べて、主にストレージ部を刷新した(ベースとなる統合ストレージ製品が、旧ブランドのEMC Celerraから新機種のVNXに変更になった)。こうしたことによって、保存容量やスループットなどが向上している。DLm2000の保存容量は13T~143Tバイトで、DLm120(9.5T~47.5Tバイト)の約3倍に向上。スループットは680Mバイト/秒で、DLm120(400Mバイト/秒)の1.7倍に向上した。

 なお、現行機種のハイエンドモデルであるDLm6000では、ストレージ部として、VNXのほかに、重複排除ストレージの「EMC Data Domain」を接続することもできる。この一方で、今回出荷したエントリーモデルのDLm2000は、ストレージ部をVNXに固定したVNX一体型のアプライアンス製品である。中規模メインフレーム向けのテープ処理のすべてを、1台(1ラック)のDLm2000で補えるようにしたという。