図1●総務省が公開した国内のモバイルトラフィック量の集計方法(左)と、最新の集計値(右)
図1●総務省が公開した国内のモバイルトラフィック量の集計方法(左)と、最新の集計値(右)
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図2●2010年6月から2011年12月までの国内モバイルトラフィック量の変遷
図2●2010年6月から2011年12月までの国内モバイルトラフィック量の変遷
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 総務省は2012年3月16日、国内のモバイルトラフィック量に関して、最新の集計結果を「情報通信統計データベース」のWebサイトで公開した。これによると、2011年12月の月間延べトラフィック量は上り/下りを合わせて6万683T(テラ)バイト。1年前の2010年12月時点でのトラフィック量、2万7512Tバイトに比べて約2.2倍増えていることが分かった。

 このトラフィック量は、国内の移動体通信事業者5社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、イー・アクセス、UQコミュニケーションズ)の協力を受けて集計したもの。通信事業者のネットワーク内にある中継パケット交換機で、上り/下りのトラフィックを1ヵ月間計測する(図1の左側「集計方法」を参照)。2010年6月から、3ヵ月おきに年4回計測している。計測対象となるのはIMT-2000に準拠する第3世代携帯電話(LTEを含む)のデータトラフィックのほか、通信事業者のネットワーク内で折り返してインターネットに出ないトラフィック(iモードの通信や携帯メールなど)、フェムトセルを経由したトラフィック、MVNO(仮想移動体通信事業者)のトラフィックを含む。一方、回線交換を使う音声トラフィックや、第2世代携帯電話(PDC)のトラフィックは集計に含まれていない。

 トラフィック量をもう少し詳しく見てみると、月間の上り述べトラフィック量は6078Tバイト、下りトラフィック量は5万4606Tバイトとなる(図1の右側「移動通信トラフィック集計値」を参照)。述べトラフィック量を1ヵ月間の時間(秒)で割った平均トラフィックは上り18.2Gビット/秒、下り163.1Gビット/秒である。調査に協力した5社の加入者数を基に、1加入者当たりのトラフィックも算出されている。こちらは、月間の述べトラフィックが上り48Mバイト、下り431Mバイト。平均トラフィックは上り143ビット/秒、上り1287ビット/秒となっている。

 月間の平均トラフィック、1加入者当たりのトラフィックをグラフにしてみると、2011年に入ってからは、2010年よりも急激にトラフィックが増えていることがわかる(図2)。総務省では、「各社のスマートフォン利用者数の増加や、動画等の大容量コンテンツの利用増加等が主要因」と分析している。

■変更履歴
第2段落後半で「通信事業者のネットワーク内で折り返してインターネットに出ないトラフィック、フェムトセルを経由したトラフィック(iモードの通信やや携帯メールなど)」としていましたが、「通信事業者のネットワーク内で折り返してインターネットに出ないトラフィック(iモードの通信や携帯メールなど)、フェムトセルを経由したトラフィック」です。また第3段落で「平均トラフィックは上り18.2Mビット/秒」としておりましたが「平均トラフィックは上り18.2Gビット/秒」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2012/3/20 12:19]