米アップルは米国時間3月18日に電話会議を開き、配当の実施と大規模な自社株買いによる株主還元策を発表した。配当は四半期ごとに1株当たり2.65ドルで、2012年第4四半期から始める。自社株買いは2013年度に始めて3年間に渡って実施する。

 アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)は「研究開発や新規店舗の出店、物流網の構築に多大な資金を注ぎ込んできた。その成果は将来見ることになるだろう。その上で戦略的に戦っていける見通しがあるので、配当と自社株買いを始める」との声明を出した。ピーター・オッペンハイマーCFO(最高財務責任者)によると今回の施策では総額450億ドルを投じる見通しという。

 電話会見でクックCEOは「慎重に策を検討して決めた。配当実施で新しい株主を迎えたい」と語った。またオッペンハイマーCFOは近年、現金が増えた現状を説明し、多くの株主と長期的な関係を築きたいとした。これまでクックCEOは多大な現金の使途を聞かれるたびに「買収などを考えている」としていたが、株価の上昇もあり、遂に還元策を打ち出した。