写真1●NST5000ファミリー(NST5110/NST5310/NST5510)の外観
写真1●NST5000ファミリー(NST5110/NST5310/NST5510)の外観
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 米Nexsan Technologies(ネクサン・テクノロジーズ)の日本事務所は2012年3月16日、高さ4Uのスペースで60ドライブを追加できる高密度実装が特徴のNAS(ファイルサーバー)装置の新製品「NST5000ファミリー」(写真1)を、国内販売代理店を通して出荷した。同社がNASを製品化するのは今回が初めて。

 NST5000ファミリーは、NAS(CIFS/NFS)ストレージである。既存製品のFC(FibreChannel)接続ストレージ「Eシリーズ」(高さ2Uに18台、または4Uに60台の3.5インチドライブを収容)に、新規開発のNASヘッド(高さ3U)を組み合わせた。NASヘッドは、キャッシュ用途として、SSD×16台(1.4T/2.8Tバイト)とRAMディスク(8Gバイト)を搭載する。

 特徴は、データ格納用のHDD(ハードディスク)を搭載するストレージユニットに工夫を凝らし、実装密度や信頼性を高めていること。具体的には、二つのドライブを逆向きに重ね合わせてプラッタの回転による振動を打ち消しあう配置方法を採用しているほか、電源の停止だけでなく多段階の制御が可能な独自のMAID(省電力)機構を備えている。

HDD拡張性に応じて3モデルを用意

 NST5000ファミリーは、拡張性(Eシリーズの接続台数)に応じて、二つのモデルを用意している。

 下位モデルの「NST5310」は、最大で2組4台のストレージ(Eシリーズ)を接続できる(2台のFCストレージをNASヘッドにFCで直結し、それぞれのFCストレージ配下に拡張専用ユニットをSASでつなぐ)。これにより、最大240ドライブ(720Tバイト)まで拡張できる。一方、上位モデルの「NST5510」は、最大で3組6台のストレージを接続できる(360ドライブで1080Tバイト)。

 このほか、NASヘッドユニットのきょう体にデータ格納用のHDDを内蔵した廉価モデル「NST5110」も用意した。この廉価モデルは、上位の2モデルがSSDの格納に利用している16台分のドライブスペースのうち、15台分をHDDの格納に利用する(SSDの搭載台数は1台で、容量は100Gバイト)。同モデルには外部FCストレージ(Eシリーズ)を接続することはできないが、もう一台のNST5110をHDD拡張用として接続できる。これにより、1台で15ドライブ(30Tバイト)、2台で31ドライブ(62Tバイト)まで容量を拡張できる。

 3モデルとも、サーバー接続用に、10Gビット/秒のイーサネットポートを4個、1Gビット/秒のイーサネットポートを12個備える。

 価格(税別)は、以下の通り。廉価モデルのNST5110は、最小構成(8Tバイト)で202万円。通常モデルの下位版であるNST5310は、最小構成(9Tバイト)で653万円。通常モデルの上位版であるNST5510は、最小構成(9Tバイト)で955万円。なお、NST5310とNST5510の最小構成時の価格には、FCストレージ「E18」(高さ2Uに18台のドライブを収容可能)が含まれる。