米Amazon.comは現地時間2012年3月14日、米国で提供している映画やテレビ番組などのビデオ配信サービスについて、メディア大手と提携してタイトル数を拡大すると発表した。「Discovery Channel」をはじめとするケーブル/衛星テレビ向け専門チャンネルを多数持つ米Discovery Communicationsとライセンス契約を締結。ビデオ配信サービス「Amazon Instant Video」で、合計12万本以上のストリーミング/ダウンロード作品を提供する。これに伴い、有料プログラム「Amazon Prime」の会員向けビデオ配信サービス「Prime Instant Video」でもタイトルを増やし、数週間以内に合計1万7000本を用意する。

 Amazon.comがAmazon Prime会員向けにビデオ配信サービスを開始したのは2011年2月。この時点でAmazon Instant Videoのタイトル数は約9000本、Prime Instant Videoのタイトル数は約5000本だった。同社はデジタルコンテンツ事業を強化する目的でビデオ配信サービスの拡充を図っており、これまで米Viacomや米Walt Disney傘下のDisney-ABC Television Groupといったメディア大手と提携している。

 Amazonによると、今回のDiscovery Communicationsとの提携でPrime Instant Videoのタイトル数はほぼ3000本増え、これまでで最大規模のサービス拡充になる(関連記事:Amazon.com、ビデオストリーミングのコンテンツ拡充でViacomと提携)。

 同社はオンライン小売り事業との相乗効果を狙い、Amazon Primeの拡販に力を入れている。Amazon Primeは年会費79ドルの商品配送優遇プログラムで、Amazon.comで購入した商品について翌々日までの配達サービスを無制限で受けられるほか、Prime Instant Videoを追加料金なして利用できる。なお同サービスの作品は、パソコンのWebブラウザーや、同社のタブレット端末「Kindle Fire」、テレビ、セットトップボックス、Blu-ray Discプレーヤーなど約300機種の対応機器で視聴できる。

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