写真●意見申出書提出後に会見した通信事業者
写真●意見申出書提出後に会見した通信事業者
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 イー・アクセス、KDDI、ジュピターテレコム、ソフトバンクテレコムら74社は2012年3月13日、NTT(持ち株会社)とNTTファイナンスが2月2日に報道発表したNTTグループ各社の料金請求/回収業務の統合に関する意見申出書を総務大臣に提出した(関連記事)。今回の意見申出書に賛同した74社中66社は、2月15日にも総務大臣宛ての要望書を提出していた(関連記事)。

 前回提出した要望書では、NTTグループが料金業務を統合することについて「なし崩し的にNTTグループの再統合、独占回帰を図り、NTT法の趣旨に反する脱法的行為である」と、競合事業者らの懸念を表明していた。今回提出した意見申出書ではさらに踏み込んで、NTTらによる料金請求/回収業務の統合内容が電気通信事業法やNTT法に違反/潜脱していることの確認を総務大臣に求めている。意見申出書は電気通信事業法の第172条に基づいて行われた意見の申し出であり、今後、総務大臣は処理の結果を申し出者に通知する。

 意見申出書で指摘し確認を求めている項目は主に以下の6点で、それぞれについて具体的に関連する法令などを示している。

  1. 料金請求/回収業務の統合が競争事業者に対する「不当な差別的扱い」に該当する
  2. 顧客情報がNTTファイナンスに集約されることによってクロスセル営業が行われた場合、「接続関連情報の目的外利用」に当たる
  3. NTTドコモなどがNTT東西の請求スキームにのってコスト削減を行うのは「NTTの購買力を使用した共同資材調達」に該当する
  4. グループ4社からNTTファイナンスへの出向は「出向形態による人事交流」に該当する
  5. 営業部門の一部である料金の請求・回収業務の統合は、NTTコミュニケーションズの独立した営業部門を設置する方針に反している
  6. 結果的にNTTグループ4社間の直接競争が損なわれることは、多元的競争の減退につながる

 意見申出書提出後に会見した事業者らは、今回の意見申出書に対する回答について「一般的には2カ月程度かかるところだが、今回は総務省でも早めに整理する方針のようだ。3~4月中にも回答を期待したい」と述べた。

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