CRM(顧客関係管理)支援などを手がけるプラスアルファ・コンサルティングは2012年3月9日、ソーシャルメディアを使った顧客サポート形態である「アクティブサポート」の研究会を開催した。第二回となる今回は、アクティブサポートに強い意欲や関心を持つ企業の担当者30人が参加。アクティブサポートの定量的な効果指標について活発に議論した。
アクティブサポートとは、Twitterをはじめとするソーシャルメディアを使って、企業側から能動的(アクティブ)に顧客をサポートする形態である。例えば、ある消費者がTwitterで、自社製品の不満や製品の使い方などの疑問をつぶやいたとする。企業はTwitter上のつぶやきを常時監視して自社に関する疑問などを察知したら、ソーシャルメディアを通じて顧客にお詫びしたり、疑問を解消する方法を助言したりする。企業は早い段階で顧客の不満の芽を摘むことができ、顧客満足度を向上できる。
アクティブサポートの効果指標を研究会のテーマに挙げたのは、確立された指標がまだないからだ。「顧客満足度」「新規顧客獲得率」「再購入率」「回答などを実施した対応件数」「風評」など、いくつかの指標が考えられるものの、どれもアクティブサポートの明確な指標とは言い切れないのが実情だ。
決定打は出ずとも討議は活発
参加者は小グループに分かれたワークショップ形式で、適切と考えられる指標の例やその理由、その指標に基づいてアクティブサポートを実施するうえでの注意点などを議論した。「目的によって指標は変わる。アクティブサポートを実施する目的によっては、定量的な指標が必要ないこともあるのではないか」。あるグループは、議論の結果をこう説明した。
例えば「自社のファンになってもらう/好きになってもらう」ことを目的としている場合は、必ずしも効果を定量化する必要はない、という見方だ。だが一方で「アクティブサポート業務を外部委託する場合は、委託先の仕事を評価するために、『対応件数』『一件当たりに要した時間』といった指標が必要になるだろう」とする意見も出た。
「ありがとうと返答されるなど、顧客から寄せられた感謝のつぶやきの件数を、指標としてはどうか」。別のグループからは、こんな意見が出た。「アクティブサポートの大きな目的は、不満を抱えていてもそれを積極的に表明しない『サイレントマジョリティ』にアプローチして満足度を改善することだ」。そこで感謝の声は、満足度が改善した指標として使えるのではないか、というわけだ。
このほかにも「現場のサポート担当者向けと経営者向けに分けて、指標を考えるべき」「ある指標に固定してしまうのではなく、随時見直していく必要がある」といった意見が出た。企業向けにソーシャルメディア活用のコンサルティングなどを手がけるループス・コミュニケーションズの斉藤 徹社長は、「単一の指標にこだわってしまうと、それに関連しない顧客の声への対処がおろそかになりかねない。効果をできるだけ総合的に測れる指標を、考えていく必要がある」と述べた。