米Gartnerが現地時間2012年3月8日に発表した調査予測によると、2012年における世界パソコン出荷台数は、前年比4.4%増の3億6800万台にとどまり、引き続き低成長となる見通しである。

 同社リサーチディレクターのRanjit Atwal氏は、2012年について「消費者が求める新たな水準のイノベーションをもたらす機器の提供で巻き返しを図る年」としたうえで、「それはWindows 8やUltrabookが早期導入者を十分に引きつけられるかどうかにかかっている」と述べている。

 Gartnerは昨年1年間でコンピュータ機器市場の状況が大きく変わったと指摘。これまでインターネットアクセス、電子メール、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などはパソコンの領域だったが、現在ではタブレット端末やスマートフォンで利用されるようになった。

 こうしたなか、業界はモバイルパソコンの復活を実現するプラットフォームとしてUltrabookに期待している。しかし、パソコンは米Googleや米MicrosoftのOSを搭載したタブレット端末、米Appleが投入する新型「iPad」などとのさらに激しい競争に直面するとGartnerは予測する(関連記事:Appleが新iPadを発表、Retinaディスプレイ搭載でLTEをサポート、3月16日発売)。

 一方で、Gartnerは世界パソコン市場は短期、長期のいずれでも新興国市場に支えられていくと見る。2011年に世界全体の50%余りを占めていた新興国市場における出荷台数は、2016年には70%近くまで上昇すると予測している。

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