「米Appleがタブレット端末やスマートフォン向けのディスプレイ部品にかける支出額は今年倍増する」――。こうした調査予測を電子機器・部品の市場調査会社、米IHS iSuppliが現地時間2012年3月7日に公表した()。

図●AppleのiPhoneおよびiPadディスプレイ部品支出額の推移
図●AppleのiPhoneおよびiPadディスプレイ部品支出額の推移
出典:米IHS iSuppli

 Appleが2012年にディスプレイパネルにかける支出額は90億ドルとなり、2011年の47億ドルから91%増加すると予測する。タブレット端末とスマートフォンの出荷台数が69%増加することに加え、従来よりも高価なディスプレイパネルを採用することが支出額上昇の要因。こうした急成長ぶりと巨額の支出は、ディスプレイ市場におけるAppleの影響力をより大きなものにするとしている。

 「Appleはすでに、スマートフォン、タブレット向け中小型ディスプレイパネル市場の大口顧客。iPhone販売の急成長が続いており、iPadの新モデルも市場投入されることから、購入額はさらに増えると予想される」とIHS iSuppliディスプレイ部門のシニアマネージャー、Vinita Jakhanwal氏は述べている。

 iPadの新モデルは9.7型液晶パネルを搭載しており、解像度は従来のXGA(1024×768ドット)からQXGA(2048×1536ドット)に向上する。高解像度を実現しながら電力消費を抑え、輝度などのディスプレイ性能を犠牲にしていないのは、新モデルが酸化物半導体(IGZO)を用いたシャープの液晶パネルを採用しているから、とIHS iSuppliは指摘している。

 このほかIHS iSuppliは、iPadのディスプレイパネル供給業者として韓国のSamsung DisplayやLG Display、東芝モバイルディスプレイの名を挙げている。Appleはこうしたサプライヤーに投資することで、部品コストの低減や、品質の維持、安定供給などを図っていると報告している。

[発表資料へ]