写真●Ridoc GlobalScan V2の複合機側の画面(写真は従来版)
写真●Ridoc GlobalScan V2の複合機側の画面(写真は従来版)
[画像のクリックで拡大表示]

 リコーは2012年3月7日、複合機を業務システムのデータ入力システムとして使えるようにするサーバーソフトの新版「Ridoc GlobalScan V2」(写真)を発表した。3月16日に出荷する。新版では、文書イメージからのデータの抽出精度を高めたほか、より複雑なデータ構造を扱えるようにするなど、業務システムとの連携機能を高めた。価格は、サーバーライセンスと複合機側ソフト1台分を含んで15万円(税別)。

 Ridoc GlobalScanは、複合機で読み取った文字列のデータを、業務システムへの入力/登録データとして扱えるようにするサーバーソフトである。ファクシミリで受信した取引先からの発注書やスキャンした帳票などから文字列データを抽出し、これを業務システムに引き渡す。サーバーソフト本体はWindows Server上で動作し、複合機側に導入する専用ソフトと連携して動作する。

 2012年夏に出荷するオプション「領域指定OCR機能」を使うと、読み込ませた文書イメージの、どの位置に何のデータが書かれているのかを定義することができる。これにより、発注書や帳票に含まれるデータベース情報(例えば、テーブルのように、項目名と値のペアが複数レコードあるようなデータ構造)を抽出できる。つまり、文字の読み取り精度さえ高ければ、文書イメージからのデータの自動入力が可能になる。

 オプションを適用しない現状においては、文書イメージに含まれる文字列データを、単一のテキスト情報として扱う。これを業務システムと連携させるための工夫として、あらかじめデータの属性情報をバーコード化しておき、これを印刷した紙と、文書を一緒に読み込ませる運用が可能である。取引先やデータ種別ごとに、それぞれ異なるバーコードを用意しておくことで、読み取ったテキストに関連情報(誰が送った何のデータなのか)を付与できる。

 稼働環境は、以下の通り。サーバーソフトの稼働OSは、Windows Server 2003/2008。利用可能な複合機は全14機種で、imagio MP C7501/C6001/C5002/C4002/C3302/C2802/C2201、imagio MP 9001/7501/6001/5002/4002/3352/2552。複合機側には、機能拡張カード「imagio VMカード」(税別で2万円)が必要になる。

 なお、業務システムとのデータ連携の使い方のほかに、スキャンした文書イメージや抽出した文字列データを外部の文書管理サーバーに登録する使い方もできる。リコーでは、こうした用途のために、文書管理サーバーソフト「Redoc Smart Navigator」を用意している。