Internet Explorer(IE)の自動アップグレードについて告知するIEのWebサイト
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今回、自動アップグレードが適用される条件を示したチャート(日本マイクロソフトの資料から引用)
今回、自動アップグレードが適用される条件を示したチャート(日本マイクロソフトの資料から引用)
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 日本マイクロソフトは2012年3月6日、Internet Explorer(IE)の自動アップグレードを3月中旬に開始することを明らかにした。ユーザーが何もしなくても、Windows XPにはIE8が、Windows Vista/7にはIE9がインストールされる。ただし、自動アップグレードを無効にすることもできる。

 Windowsには、セキュリティ更新プログラムなどを自動的にダウンロードおよびインストールする自動更新機能がある。初期設定では、自動更新機能は有効になっている。この自動更新機能を用いた、最新版IEの提供は既に行われている。

 例えば、日本国内におけるIE8の自動更新は2009年5月、IE9については2011年6月に始まった。ただ、セキュリティ更新プログラムについてはユーザーが意識しなくても自動的にインストールされるのに対して、IEについてはインストール前にバルーンやダイアログを表示し、ユーザーにインストールするかどうかを尋ねる。

 ここで、ユーザーがダイアログを閉じるなどして作業を中断すると、IEはインストールされない。「ダイアログの意味が分からずに無視したために、IEが更新されていないユーザーは少なくないだろう」(日本マイクロソフト Windows本部 シニア プロダクト マネージャーの溝口宗太郎氏)。

 一方、今回開始される自動アップグレードでは、ダイアログなどを一切表示しない。セキュリティ更新プログラムと同様に、ユーザーの知らないうちに、最新版のIE(Windows XPではIE8、Windows Vista/7ではIE9)がインストールされる。

 自動アップグレードを実施する第一の目的は、ユーザーの保護だという。「IE8やIE9では、フィッシング詐欺対策やマルウエア対策などのセキュリティ機能が充実している。オンラインの脅威の高まっている現状では、ぜひ最新版を使ってほしい」(溝口氏)。

 また、最新版ではパフォーマンスの向上や、HTML5といった新規格への対応も図られているので、「ユーザーエクスペリエンスが向上する」(溝口氏)。

 そのほか、Web開発者の側にもメリットがある。最新版のユーザーシェアが高まれば、IE6のシェアが低下する。それによりWeb開発者は、IE6をサポート対象から外しやすくなり、開発時の負荷が軽減するといった効果が望める。