無効化していればインストールされない
ただし、Windowsパソコンの全てが、自動アップグレードの対象になるわけではない。以下のパソコンでは、最新版IEが自動的にインストールされることはない(図)。
- Windows IntuneやWindows Server Update Services(WSUS)、System Center Configuration Manager(SCCM)といった管理ツールで一元管理されているパソコン
- Internet Explorer 8/9自動配布の無効化ツールキット(Blocker Toolkit)を適用しているパソコン
- 過去にIE 8/9の自動更新を促すダイアログが表示され、そこで「インストールしない」を選択したパソコン
IEをアップグレードしたくないパソコンでは、事前に無効化ツールキットを適用しておけばよいだろう。同ツールは、日本マイクロソフトのWebサイトからダウンロードできる。
また、意図せずアップグレードされた場合でも、慌てることはない。通常のプログラムと同様に、コントロールパネルからIEの最新版をアンインストールすれば、それまで使っていたバージョンに戻る。
以下のようなパソコン環境も、自動アップグレードの対象にならない。ただし日本マイクロソフトでは、以下の環境で利用することは推奨していない。
- IEを無効にしているパソコン(Windows 7のみ)
- 自動更新を無効にしているパソコン
- 自動アップグレードでインストールされたIEをアンインストールしたパソコン
さらに、サポート対象外のWindowsに対しても、自動アップグレードは実施されない。具体的には、最新のサービスパック(SP)を適用していないWindows XPやWindows Vistaは、同社のサポート対象外であり、自動アップグレードの対象でもない。
自動アップグレードの対象となるOSは、Windows XP SP3、Windows Vista SP2、Windows 7 RTM(SP未適用のWindows 7)、Windows 7 SP1。
海外では既に開始、大きな問題はなし
2012年3月中旬から始まる自動アップグレードは、国内ユーザーを対象にしたもの。海外では、2012年1月から順次実施している。最初に実施されたのは、オーストラリアとブラジル。その後、2012年2月中旬には、ほとんどの国・地域で実施された。ユーザー数の多い国・地域では、日本が一番最後になるという。
ほとんどの国・地域においては、告知なしで自動アップグレードを開始したものの、大きな混乱はないという。また、実施開始から1カ月以上が経過しているオーストラリアとブラジルでは、「正確な数字は言えないが、IE8やIE9のシェアは増加している」(溝口氏)。
ただ、知らないうちにアップグレードされたユーザーは、新しいIEを起動した際に戸惑うことが予想される。このため同社では、IE8やIE9を初めて起動した際には、前バージョンとの違いなどを解説するコンテンツを表示するようにしているという。